ご注文はオンライン書店bk1へどうぞ |
『火星の運河』 東 雅夫編 江戸川乱歩作 角川ホラー文庫590円(税別) 江戸川乱歩の禁断の夢を描いた表題作のほか、「悪夢」など、旧かなづかいの作品も掲載されています。 これは乱歩に限られるのか限られないのか、旧かなづかいは一字一句がコケティッシュです。 収載された作品はもちろん凄惨だったり、凄艶だったり、身の毛もよだったりするので、ホラー嫌いのお方にはおすすめできないけれど。 これはすごいと思ったのは、乱歩の幻想文学関連の随筆が収載されていること。 私はこれが大変面白かったです。 繰り返しますが、随筆の内容も怖い。不気味です。身の毛もよだちます。 でも、その中にある乱歩の生きた時代の日本の豊かさをひしひしと感じました。 この頃の日本人の感性に、現代のテレビ、携帯、ゲーム漬け世代がかなうはずがない。日本人よ、便利を捨てて、もう一度よみがえれ! と、いいたくなりました。 他人はともかく、私はよみがえろう。 この本のおかげで、すっかり忘れていた感性を思い出すことができました。 乱歩先生、東先生、ありがとうございました。 |
ご注文はオンライン書店bk1へどうぞ |
『妖怪文藝 巻之弐 響き交わす鬼』 東 雅夫編 638円(税別)小学館文庫 執筆陣・芥川龍之介、尾崎紅葉・小松和彦、野坂昭如、馬場あき子、秋山亜由子、香山滋、福永武彦、椋鳩十、三田村信行、今江祥智、加門七海、霧島ケイなど。 鬼、鬼、鬼の特集。 編者、東雅夫さんによってここに集められた、時代を超えジャンルを超えた古今東西の鬼文学のいろいろ。楽しめます。 名作多々あれど、個人的には霧島ケイさんの「鬼の実」がしみじみと胸にしみました。 不思議な透明感、切ない滑稽、さりげない優しさ、しっとりと美しい鬼と人との交感。 ああ、私もこういう物語を書きたいと思いました。 内容的にも、拙作『百怪寺夜店シリーズ』とも通底するところがあって嬉しかったです。 |
ご注文はオンライン書店bk1へどうぞ |
『妖怪文藝 巻之壱 モノノケ大合戦』 東 雅夫編 619円(税別)小学館文庫 執筆陣・石川淳、稲垣足穂、今江祥智、入澤康夫、小田仁三郎、京極夏彦、 谷崎潤一郎、南条範夫、藤原審爾、別役実、村上元三、水木しげるなど。 東雅夫さんが編著された妖怪本の数々は、実は、知る人ぞ知る宝の山です。 ご紹介したい名著は数々あるのですが、それらは児童書ではないこともあって、ここでは沢山はご紹介できません。というか、正直な話、ぜんぶ教えるのはもったいない。 どうぞ、ご自分で読まれて探索してくださいますように。 というわけで、この本なら版元も小学館ということで、童話城のみなさまにもなじみやすいのではと、ここにご紹介させていただきます。 東雅夫さんと京極夏彦さんの対談に始まり、往年の人気時代劇作家の南条範夫さん、村上元三さんや、藤原審爾さん、稲垣足穂さんなど、妖怪アンソロジーでなければあり得ないような面々がこの一冊に揃い踏みです。 しかも、巻之壱、弐、参と3ヶ月連続刊行です。 どうぞお楽しみ下さい。 ホームへ戻る |