人生の一冊、感動の一冊、泣ける一冊、しみる一冊、お気に入りの一冊、おもしろすぎた一冊
読者の投稿による” 私のすすめるとびっきりの一冊 no1 |
私のすすめるとびっきり! 『あした、出会った少年』 越水利江子著 ポプラ社 日本児童文芸家協会賞 |
京都の露路を舞台に、主人公さよこが出会う美しい不思議。 どの章も心にしみいる愛のこもった作品です。 この本を読むと、心にぽっと明かりが灯ります。 その明かりは、生きていくための方向を照らしてくれます。 人とは、なんてやさしくて強いんだと泣いてしまう一冊、どうか多くの人に、長く読み続けて欲しいと思います。 人が失ってはいけない大切なものを、知ることができます。 越水さんのデビュー作『風のラヴソング』の姉妹編。 ちなみに私は、しのぶちゃんがお嫁にいく場面が大好きです。 (推薦/水玉) |
私のすすめるとびっきり! 『ハンカチの上の花畑』 安房直子著 あかね書房 |
「出ておいで、出ておいで、菊酒作りの小人さん」というフレーズが、楽しくてこわくて、何度も何度も読みました。 1973年が初版発行で、私の手元にあるのが1983年で30版のものです。この本は、当時と全く同じ装丁で、今も本屋さんの書棚に並んでいます。 安房さんのファンタジーは、人間の影の部分を描くところが好きです。この作品にも、安房さんの風刺がきいているのです。 どこかの古い酒蔵の奥に、お酒をつくる小人の仲間が、今でもいるかもしれませんよ。 (推薦/水玉) |
私のすすめるとびっきり! 『少女海賊ユーリ』シリーズ みおちづる著 童心社 |
何百年という時をさまよう海賊船ユーラスティア号の女船長ユーリ、その仲間たちの、愛と冒険のドラマ。 超エネルギーを持つ謎の石、「時光石」をめぐって繰り広げられる世界から、目も心も離せません。 (推薦/ノンタ) |
私のすすめるとびっきり! 『忍剣花百姫伝』シリーズ 越水利江子著 陸原一樹絵 ポプラ社 |
波瀾万丈、超時空ファンタジー活劇。 こういう本を待ってました! 盗人に育てられた姫君が活躍する恋あり涙ありのジェットコースター・スーパー時代劇。 骨格もしっかりしていて、安心して読めます。 おもしろい本をよみたいなら、これ! 一話から目がはなせません。 次巻を待てないのが玉にキズかも。 (推薦/ろむお) |
私のすすめるとびっきり! 『白狐魔記』シリーズ 斉藤洋著 偕成社 |
厳しい修行の末、人間に化け、戦国戦乱の時代を駆け抜ける狐、白狐魔。 歴史の陰に白狐魔あり! スリル満点の展開と、狐から見つめた人間像が、真面目な話なのに何故か笑える大河タイムファンタジー。 子供も大人も一気に読み進めてしまうことでしょう。 (推薦/ノンタ) |
私のすすめるとびっきり! 『杉みき子選集2 白いとんねる』 杉 みき子著 新潟日報事業社 |
このタイトルは知らなくても「加代の四季」と言われて 「読んだことがある!」と思われる方は多いと思います。 加代の見つめる世界は小さいけれど,温かな息吹を感じさせます。澄み切った空気,雨のにおい,風の声,春の訪れなど,さまざまな自然がこの世界には詰まっているのです。 子どもの頃に感じた素朴な疑問,子どもならではの視点。 そういったものが,簡潔でいて深みのある文章で表現されています。 大人には忘れかけていた子どもの頃の気持ちを思い出させ, 子どもだったら共感するところがたくさんある作品です。 (推薦/ROY) |
私のすすめるとびっきり! 『月と星の首飾り』 『青と金色のつばさ』 立原えりか著 講談社 ※この本は図書館でお楽しみ下さい |
2月29日生まれの女の子である主人公さらは、イタカズラの夫人と金の羽の若者に出会い、不思議な運命に導かれて南の島に旅立ちます。(月と星の首飾り) その続編で、大人になったさらと、再び花とみつの島のお話。やさしいファンタジーの中に、核の恐怖も描きこんだ傑作!(青と金色のつばさ) 残念なことに、この二冊は今は廃刊。小学生の頃、大好きな味のキャンディを一粒ずつゆっくりなめたように、一頁一頁を大切にめくった想い出の本です。ぜひ復刊して欲しいです。 私の手元にももうないのです。もう一度読みたいです。 (推薦/水玉) |
私のすすめるとびっきり! 『かいぞくぶろ』 越水利江子著 渡辺有一絵 新日本出版社 |
越水利江子さんの低学年向き作品は、子どもがすぐにまねしたがります。 それだけ身近な素材で子どもたちのイメージをふくらませているからでしょう。 4才の息子はいっしょに風呂に入れば、必ず「かいぞくぶろごっこ」をやります。 また、小学校などで読み聞かせをやるときは定番で読みます。男女問わず、低学年ならまずハズレはありません。 いたずら好きな私は、ポケットにトラベル用のシェービングクリームをしのばせて行って、おじいさんが海賊になるシーンでは、こっそりあごからほおにぬります。 これはびっくりするほど笑いがとれます(笑い声と歓声がきえるまで、ちょっと間をとった方がいい)。一度おためしください。 (推薦/しらみやパパ&こうへい4才) |
私のすすめるとびっきり! 『星の牧場』 庄野英二著 理論社 |
主人公は戦争で記憶をなくしたモミイチ。 戦争が終わって故郷の牧場に帰ってきたモミイチは、戦争中にかわいがっていた軍馬ツキスミのひづめの音を聞きます。 ひづめの音をたどっていったモミイチは、いつのまにか夢のような不思議な世界へ迷いこむのです。 深く大きな愛に涙して下さい。 1963年初版のファンタジーの傑作。 (推薦/童丸) |
私のすすめるとびっきり! 『星モグラ サンジの伝説』 岡田淳著 理論社 |
一番外側が筆者のことばで、つぎの枠に囲まれたページが、筆者と筆者に「サンジというモグラの伝説」を伝えた人のやりとり。そして内側が、サンジの伝説という二重額縁構造になっている。サンジというのは、伝説になるほどのスーパー・モグラで、たとえば、ヘビを食べる。岩も鉄も食べる。空を飛ぶ。水中を泳ぐ。恋をする。星も食べる。ついでに、自然破壊を、くいとめてしまう。さらに、神さまと、話をする。この神さまが、おかしい。 額縁をとって、内側のサンジの伝説だけでも痛快で、十分におもしろい。けれど、枠に囲まれた部分は、筆者の独白形式になっていて、おとなこそ楽しめる。 (推薦/NOCO) |
私のすすめるとびっきり! 『同級生〜はるかな時空をこえて〜』 横山充男著 PHP研究所 ※この本は図書館でお楽しみ下さい |
横山さんの作品というと,生き生きとした少年たちの姿を思い浮かべますが,『同級生』では少々大人びた少年少女の姿が描かれています。 この話には「花埋み」という遊びが出てきます。 思春期の少年少女が行う遊びなのですが, ガラスの下で咲く花は永遠に枯れず美しいけれど, 時の止まったその空間でしか成り立たない, どこか切なさを感じさせるもののように思います。 あたかも,思春期にある異性への一瞬のあこがれを象徴するかのようです。 (推薦/ROY) |
私のすすめるとびっきり! 『あした、出会った少年』 越水利江子著 ポプラ社 日本児童文芸家協会賞 |
言わずとしれた越水文学の集大成。 ページをめくると、目の前に露地の石畳とその中を舞い散る桜の花が、地蔵盆の色とりどりのちょうちんが、ホウセンカの紅い花が広がる。 美しく、泣けるお話なのですが、それだけじゃもちろんない。 文章で人の心を揺さぶるのは難しい。 泣かせる事ももちろん難しいのですが、笑わせる事はもっと難しいんじゃないかと常々思っています。 この作品はそこのとこもきっちり押さえてあります。 私の笑いどころは、カラーテレビのリモコンの微妙さと、しのぶちゃんちのうんこ石! 私の目指すいろんな要素がつまった大好きな作品です。 (推薦/はっさく) |
私のすすめるとびっきり! 『なまくら』 吉橋通夫著 講談社 野間児童文芸賞 |
これから大人になる少年少女たちに、これから物語を書こうとする人に、ぜひこの本は読んで頂きたいです。 物語を読むことで、登場する少年たちの人生に立ち合ってもらいたいと思います。 傷だらけ、泥まみれで、それでも地を這い、根を張り、成長し続ける少年たち。 現代の日本人が、現代の子どもが失ってしまった、清らかで強靭な少年の魂。 その魂に、もう一度出会える貴重な本です。 心に深くしみる一冊です。 (推薦/彼岸桜) |
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